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治療

医歯薬連携事業その7~化学療法

医歯薬連携事業の口腔管理医療連携モデル事業研修会でのお話を続けていきます。 がん治療の三本柱「手術・化学療法・放射線治療」のうち、最後は化学療法についてです。 一般的に「抗がん剤」が知られているかと思います。 がん治療で行う化学療法は、抗がん剤以外にも分子標的治療薬、ホルモン剤などがあります。 最近は、分子標的治療薬をはじめとする薬の開発がめざましく、治療効果だけでなく患者さんのQOLを考慮した治療法の開発も進んでいます。 とはいえ化学療法は全てのがんに有効とは言えず、治癒が期待できる・延命が期待できる・症状緩和が期待できる・効果の期待が少ない…の4つに分類されます。 治癒が期待できるものとして白血病や悪性リンパ腫など、延命が期待できるものでは乳がんや卵巣がんなど、症状緩和が期待できるものでは食道がんや胃がんなどが挙げられ、残念ながら悪性黒色腫や甲状腺がんでは化学療法はあまり期待が持てないそうです。 今後の新薬に期待しましょう! 化学療法は1回の治療で終了することはほとんどなく、1週間や3,4週間毎の治療を数か月や年単位で行うことが少なくありません。 抗がん剤は毒薬や劇薬に指定され、人体への影響は避けられません。 以前は激しい副作用と長期入院をしなければいけなかった治療ですが、最近では副作用を軽減させる支持療法を適切に用いて、苦痛を緩和しながら治療を行うようになっています。 近年、各種がんに対する診療ガイドラインが発刊されて、薬物療法としてほとんどのがんにおける標準的治療が示され、日本国内のどこででも治療がうけられるようになりました。副作用を軽減させるための支持療法に関するガイドラインも整備され、がん化学療法を取り巻く環境はかなり整ってきたと言えます。 それにより、ここ数年で化学療法を外来でやられる患者さんが増えてきており、今後もますます化学療法は外来が主流になっていくことでしょう。 外来化学療法が増加していくなかで、医師だけでなく様々な職種の医療スタッフが関わり、チーム医療・地域医療などの連携が必要になります。 今後ますます連携体制の充実させることが求められることになりそうです。

医歯薬連携事業その5~これからの事業展開

医歯薬連携事業の口腔管理医療連携モデル事業研修会が昨日の日曜日に愛知県がんセンターにて開催され修了しました。 これまでの内容は、がん闘病中のあなたへ手術と口腔管理お薬手帳健診と検診の違いでお話させていただきました。 それで実際何をする事業なの?と思われたかと思います。 この事業は、主にがん患者の治療が円滑に行われるために、口腔機能管理の観点から治療に係る有害事象等の緩和を医療従事者が連携して行うことを目的としています。 一言で言えば、医科・歯科・薬科連携の下、がん患者さんのQOL(Quality Of Life=生活の質)を上げよう!ということです。 今回、研修受講が全日修了し、修了証書もいただきました。 修了証書 今後、研修受講者の名簿を作成し、医歯薬の連携を強化すべく利用されていくことになるそうです。 例えば、受講修了者のクリニックなどで愛知県がんセンターの治療中または治療前の患者さんが口腔管理を依頼しやすいようにしていく等が挙げられます。 愛知県がんセンターでは平成16年から21年度の約5年間で患者数が500人弱から3500人強と約7倍と増加しているそうです。 そのため歯科の治療やケアの対象者は、入院患者のみとなっています。 本来口腔ケア必要な外来の患者さんでも、そこまで手が回らないというのが現状のようです。 そのため、一般の開業している歯科医でも知識を得て、ご自宅のお近くで口腔ケアをしていくことをおススメすることになっていくかと思われます。 皆さんにも、そのような状況でもご利用いただけることをご理解いただければと思います。

歯を接触させるクセ

先日テレビ番組で『TCH』というのが話題になっていました。 TCHは、慢性的な肩こりやあごの付け根が痛くなる顎関節症の原因というお話でした。 この手の健康情報番組は毎回、大げさな演出で「あの時ちゃんと病院に行き、治療すれば助かったのに」みたいな最悪なパターンの再現ドラマが多く、正直辟易しますが…(~_~;) 名医といわれる大学の先生が解説されるには… 歯ぎしりや食いしばるとも違い、無意識に上下の歯が軽く触れている程度の状態が『TCH(Tooth Contacting Habit)』直訳すると「歯を接触させるクセ」。 通常、口を閉じている時は上と下の歯は離れているのが普通です。 軽く触れている状態でいると、あごの付け根の顎関節に長時間負担をかけ、かむ時に使う咬筋が緊張状態に陥り疲弊してしまいます。 その咬筋が疲弊することにより、その近くにある首回り・肩周辺の筋肉を強張らせ、結果→肩こりになるわけです。 この状態は、パソコンなどで集中して仕事をしていたりするとなりやすい、とのことでした。 名医いわく「歯ぎしりや食いしばりとも違う」そうですが、かよ歯科クリニックで配布している『歯ぎしり・噛みしめ』もほぼ同様の内容になり、同じ治療法の記載もあります。 ご関心のある方は是非ご覧いただければと思います。