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肝臓に対する歯周病菌の影響

こんにちは、かよ歯科クリニック歯科衛生士の小池です。 先日(2月23日)の中日新聞で気になる記事が載っていました。 3面の見出しに『歯周病治療で肝機能が改善』と書いてありました。 以前ブログでも歯周病菌は、全身に影響を与えるお話をしました。 心臓病にかかるリスクが高かったり、糖尿病が悪化したり、妊娠中では早産になるリスクも高くなる等々。 今回のこの記事の中で、非アルコール性脂肪肝炎患者(NASH)の歯周病保有率は、健康な人と比べて約3.9倍とありました。 肥満状態のマウスに歯周病菌を投与すると、3か月後に肝臓が平均1.5倍に肥大化し、肝炎が悪化したそうです。 この肝炎が悪化すると、肝硬変や肝臓がんを引き起こすと言われています。 歯周病のNASH患者10人に歯石を除去したり、抗生物質で歯ぐきの炎症を抑えたりして治療を行った結果、3か月後には平均すると肝機能の数値がほぼ正常になったと報告されています。 恐るべし歯周病菌(>_<) 全身の健康を保つためにも、歯周病治療(歯石除去+毎日の歯みがき)をしましょう! ********************************************* 非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis; NASH)とは、肝臓に脂肪が蓄積することで起こる肝炎。生活習慣病の一つで、非常に注目されている肝臓の病気です。最近、日本人の間で肥満が増加しており、健康診断などで肥満と軽度の肝機能障害を伴い、超音波検査で脂肪肝を指摘される人が増えています。メタボリックシンドロームの増加により、NASHへの注目も高まっています。

医歯薬連携事業その5~これからの事業展開

医歯薬連携事業の口腔管理医療連携モデル事業研修会が昨日の日曜日に愛知県がんセンターにて開催され修了しました。 これまでの内容は、がん闘病中のあなたへ手術と口腔管理お薬手帳健診と検診の違いでお話させていただきました。 それで実際何をする事業なの?と思われたかと思います。 この事業は、主にがん患者の治療が円滑に行われるために、口腔機能管理の観点から治療に係る有害事象等の緩和を医療従事者が連携して行うことを目的としています。 一言で言えば、医科・歯科・薬科連携の下、がん患者さんのQOL(Quality Of Life=生活の質)を上げよう!ということです。 今回、研修受講が全日修了し、修了証書もいただきました。 修了証書 今後、研修受講者の名簿を作成し、医歯薬の連携を強化すべく利用されていくことになるそうです。 例えば、受講修了者のクリニックなどで愛知県がんセンターの治療中または治療前の患者さんが口腔管理を依頼しやすいようにしていく等が挙げられます。 愛知県がんセンターでは平成16年から21年度の約5年間で患者数が500人弱から3500人強と約7倍と増加しているそうです。 そのため歯科の治療やケアの対象者は、入院患者のみとなっています。 本来口腔ケア必要な外来の患者さんでも、そこまで手が回らないというのが現状のようです。 そのため、一般の開業している歯科医でも知識を得て、ご自宅のお近くで口腔ケアをしていくことをおススメすることになっていくかと思われます。 皆さんにも、そのような状況でもご利用いただけることをご理解いただければと思います。

歯を接触させるクセ

先日テレビ番組で『TCH』というのが話題になっていました。 TCHは、慢性的な肩こりやあごの付け根が痛くなる顎関節症の原因というお話でした。 この手の健康情報番組は毎回、大げさな演出で「あの時ちゃんと病院に行き、治療すれば助かったのに」みたいな最悪なパターンの再現ドラマが多く、正直辟易しますが…(~_~;) 名医といわれる大学の先生が解説されるには… 歯ぎしりや食いしばるとも違い、無意識に上下の歯が軽く触れている程度の状態が『TCH(Tooth Contacting Habit)』直訳すると「歯を接触させるクセ」。 通常、口を閉じている時は上と下の歯は離れているのが普通です。 軽く触れている状態でいると、あごの付け根の顎関節に長時間負担をかけ、かむ時に使う咬筋が緊張状態に陥り疲弊してしまいます。 その咬筋が疲弊することにより、その近くにある首回り・肩周辺の筋肉を強張らせ、結果→肩こりになるわけです。 この状態は、パソコンなどで集中して仕事をしていたりするとなりやすい、とのことでした。 名医いわく「歯ぎしりや食いしばりとも違う」そうですが、かよ歯科クリニックで配布している『歯ぎしり・噛みしめ』もほぼ同様の内容になり、同じ治療法の記載もあります。 ご関心のある方は是非ご覧いただければと思います。